佛教大学通信教育課程 リポート 参考例 日本漢文入門 設題1

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2018年に提出し、A判定で合格したリポートです。
合格の目安にしてください。論の展開の参考にもなると思います。

設題、テキスト・参考文献はリポートに入っています。

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目次

M6108 日本漢文入門 リポート設題1

 

設題1
日本文学における「漢文」の特長を概説せよ。

 本リポートではまず、日本における「漢文」の定義を述べる。次に、日本人がどのように漢文を学習し、そこからどのように日本独自の文字表記を形成していったのかについて述べる。次に漢文と日本文の違いを挙げ訓読する方法を説明する。最後に日本文学における「漢文」の特長をまとめる。
 日本における「漢文」とはどういう意味だろうか。

古代の漢民族において発達し、現代まで伝承されている漢字による文字言語およびそれが書かれた言語作品。漢文は朝鮮、日本、安南まで広がり使用され言語作品が作成された。日本には、古く大陸からの渡来者がもたらしたが、次第に外国語である中国語に返り点、送り仮名をつけて日本語文語文に翻訳しながら読む訓読法が発達し固定化された。
                                                                 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典』より

1 中国古来の文語体の文章を日本でいう称。
2 日本人が1に倣って書いた文章。
3 中国の漢の時代の文章。
                    『デジタル大辞泉』より

これらによると、「漢文」とは、中国では漢の時代の文章ということである。日本における意味は、中国古代文語体で書かれた文章であり、その体裁で書かれていれば中国以外で書かれたものも含む。日本では訓点を付して訓読法で日本語の古文の形に訳して読む。つまり、原文をそのまま提示し、訓点により語順を入れ替え、助詞や活用をつけて、原文に即して日本語読みするのである。外国語であるのに、中国語の発音を用いずにそのまま日本語読みをする。訓読法は日本独特の翻訳方法である。
  漢文が伝来し、日本人は漢文・漢字を学びながら、独自にそれを取り入れて変化させて日本語文の表記方法を確立した。そのなりたちの経緯を述べる。主にテキストの『古文と漢文』P21~26を参考にしてまとめる。
 古墳時代に入っても、日本には文字はなかった。琉球語や日本語はあったが文字に表される語はなかった。日本人が文字で言語を表すことを知るのは四世紀末か五世紀初である。中国の江南地方から入った漢字で「呉音」という字音が初めて知る文字の発音であった。雄略天皇が史を置き、韓人に記録を始めさせたと伝承されている。
五世紀末から七世紀の初めにかけて記録を担当した者たちは、できるだけ漢文に近い文体で記録をしようとした。担当した者たちは百済系の帰化人が多かったと考えられている。しかし、記録は百済ではなく、倭国のことである。倭国の人名、地名の表記に頭を悩ませ、漢字に音訳することを思いつく。中国ではインドの経典を漢字に音訳した例があった。
 仏陀 budda  阿修羅 asura など。
その方法をみた倭人は、他の日本語も漢字に音訳できるのではないかと考えた。漢文学習の傍ら、和歌を書き留めることを試みだした。古事記の歌謡や万葉集で用いられた。万葉集で主にみられるため、「万葉仮名」という。一音節を漢字一字に音訳したものと、一部はそのまま日本の言葉を当てはめて書いた。 テキストP23万葉集 八〇三の例を挙げる。 

銀母 金母玉母 奈尓世武尓 

しろかねも くろがねもたまも なにせむに

 「銀」は「しろかね」と、「金」は「くがね」と、日本の言葉で書き、他は一音節を一字にあてている。この一字一音で当てたものは「万葉がな」のうちでも「音かな」とよばれ、九世紀末に生まれるひらがなの元である。漢字は意味を表す表意文字である。日本人は表意文字である漢字を学びながら、その草書体からひらがなという表音文字を作り出したのである。また、漢字の一部を使いカタカナも発明した。
 「音かな」を発明したが、全部ひらがなにはならなかった。日本語は、体言は中国語に似ており、語尾が変化しない。用言は活用という語尾の変化がある。また、テ・ヲ・ニ・ハなどの助詞がある。漢文では、活用や助詞の機能は語順により巧妙に表されていた。語尾変化のない、単音節語であった。日本人が漢文を同族に伝えるため、翻訳しようとすれば表意文字の漢字と漢字をつなぐものが必要となる。用言の活用と助詞はどうしてもいる。変化をしない体言や用言の語幹をそのまま使い、読み方だけ日本語で読み、活用や助詞のみ「かな」を付すのが、書くのに字数が少なく便利である。漢文は漢字かな交じりで読まれていったのである。
このように、日本人は日本語を表すために漢字に取り付き、漢字を両様に使い分けた。漢字の音のみを取り「ひらがな」発明し、一方では意を取り音を捨てたのである。漢文を翻訳する際、文章を書く際、試行錯誤し、結局は両者を併用するところに落ち着いた。奈良時代の正史『続日本書紀』の「宣命」では今日とほとんど同じような、漢字かな交じり表記の祖型がみられる。
 漢文と日本文の大きな違いを挙げ、漢文の特徴を述べる。訓読する際の説明をする。
 ①語順
 漢文の基本構造は左の五種である。テキスト『古文と漢文』P30・31より引用する。

 1 主述関係(A‐B)
  AがBするという場合、主語Aが先で述語Bが後になる。
 2修飾関係(A→B)
  BがAを修飾する場合、Aが先になりBが後になる。
 3並列関係(A+B)
  AとBが台頭に並ぶ場合である。
 4補足構造(A←B)
  Aの動作や行為が及ぶ事物をBで補う場合、BがAの後に来る。
 5認定構造(A×B)
  Aが否定・可否・当否などの認定を表し、Bがその内容を表す場合、Aが先になりBが後になる。

 

 1、2、3は中国文も日本文も同じであるが、4、5は違う。この語順にする際に漢文に「返り点」を漢字の左下に付して日本文の順に読ませる。一文字入れ替える場合は「レ点」を二文字以上入れ替える場合は「一、二点」を使う。一二点を挟んで使う「上下点」、さらに上位の「甲乙点」などもある。

 ②用言の活用、助詞がない
 中国語は語尾変化のない単音節語である。また、テ・ヲ・ニ・ハに当たる助詞がない。日本語に読む際にはそれらを付す必要がある。漢字の右下に活用、助詞をカタカナで付す。活用は発展し、「送りがな」となった。
 日本において、漢文は中国文化を摂取することだけでなく、日本文章表現の基礎を作るものであった。漢文を学び、その漢字からひらがなを発明した。中国語との違いを認識して読むことで、漢字とかなとを使い分け、今日の漢字かな交じり文の原型を作った。これは日本文学を大きく発展させた。漢文を読むことで簡潔な漢文脈を得、また語彙を豊かにしてきた。漢文は、古事記や万葉集など日本文学史を形作った原点であり、国語の原点ともいえるのである。

〈参考資料〉

『古文と漢文 日中比較文学史‐』 (1986)
 神田秀夫 著  武蔵野書院

『漢文法基礎 本当にわかる漢文入門』 (2010)
 二条庵主人 加治伸行 著  講談社学術文庫

『コトバンク』「ブリタニカ国際大百科事典」「デジタル大辞泉」
https://kotobank.jp/word/漢文-49578 (2018.10.2 16:00ログイン) 

Weblio EDR日中対訳辞書』
https://cjjc.weblio.jp/content/漢文 (2018.10.3 1700ログイン)

終わりに

日本

Kanenori / Pixabay

こちらもかなり引用やテキストをまとめた個所が多いです(;’∀’)
自分の意見とは分けて書いていると大丈夫です。

最後には必ず自分の意見を入れるようにしていました。

サイトを参考資料にしても構いません。信頼の高いサイトであるか注意します。
ログインの日時を入れました。

ちなみに日本漢文入門リポートは手書きで縦書きでした。
リポート書式にも注意してくださいね。

リポートは参考に数点載せますが、このレポートを載せてほしいとのリクエストはお受けできません。

最後までお読み下さりありがとうございました。

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