佛教大学通信教育課程 リポート 参考例 生徒指導・進路指導の研究(中・高)

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2017年に提出し、A判定で合格したリポートです。
合格の目安にしてください。論の展開の参考にもなると思います。

設題、テキスト・参考文献はリポートに入っています。

  • ほぼ同じ内容にしたり、写して提出されないようにしてください!!
    佛教大学はリポートの剽窃には厳しい処置を下します。
    教員を目指す方にとって社会人としても許されない行為です。

 

目次

Z1109 生徒指導・進路指導の研究(中・高)リポート

設題1
中学・高校における生徒指導の原理および意義は何か、また、その際に留意しなければならないことは何か、生徒指導の具体例を示しながら説明してください。

 本レポートでは、まず生徒指導とは何かに触れ、その原理、意義を述べる。次に生徒の問題行動の例を挙げ、その生徒指導を具体的に示し、留意するべき点を述べる。

 生徒指導は、学校教育の全般にわたって、「すべての生徒のそれぞれの人格のよき発達を目指すとともに、学校生活が、生徒一人一人にとっても、また学級や学年、さらに学校全体といった様々な集団にとっても、有意義にかつ興味深く、充実したものになるよう」(『生徒指導の手引き』)指導する営みとされている。このことから生徒指導とは、教科指導と並ぶ重要な教育機能をもつ活動といわれる。

 次に生徒指導の原理を述べる。1965年に発行された文部省(現文部科学省)の『生徒指導の手引き』に原理が4点あげられている。①自己指導の助成のための方法原理、②集団指導の方法原理、③援助・指導の仕方関する原理、④組織・運営の原理である。

 ①自己指導の助成のための方法原理においては、自発性・自立性・自主性の促進があげられる。欲求や情緒を直接行動につなげる自発性、目的に沿って行動を規制する自律性、人間関係において相互に権利の主張と義務の遂行を可能にする自主性である。

 ②集団指導の方法原理においては、学級や友人関係といった集団における相互作用の尊重、集団の力の利用、人間の尊重、友愛・自由の尊重、規律の維持などがある。集団に対する所属感や、成員同士の連帯感を高め、相互に理解し尊敬できる環境をつくることがよい結果を生む。

 ③援助、指導の仕方に関する原理においては、特に問題解決能力を育てる援助の重要性があげられる。また指導にあたり、賞罰を用いる場合は細心の注意が必要である。さらに、生徒の人格のより良い発達のためには主観的資料だけでなく、客観的資料の利用が必要である。

 ④組織・運営の原理においては、全教師の参加と専門職の分化の必要性があげられる。生徒指導は全生徒を対象として、学校生活の全領域に関わるものであるから、全教師が協力して取り組むべきである。また責任を分化することも指導の効果をあげることにつながる。

 次に生徒指導の意義について述べる。生徒指導の意義には以下の5つがある。①生徒指導は、個別的かつ発達的な教育を基礎とするものである、②生徒指導は、一人ひとりの生徒の人格の価値を尊重し、個性の伸長を図りながら、同時に社会的資質や行動を高めようとするものである、③生徒指導は生徒の現在の生活に即しながら、具体的、実際的活動として進められるべきである、④生徒指導は、すべての生徒を対象とするものである、⑤生徒指導は、総合的な活動である。

 ①については、学校における多くの活動が集団で行われるが、すべての生徒に同一に指導がされるのではない。個々の生徒がもつ素質や能力など、また生まれ育った環境などを考慮する必要がある。つまり、生徒一人一人の特性を把握し、それぞれのより良い発達を目的としているのである。

 ②個人の人格の発達を目指すが、生徒それぞれが個別に存在しているだけではなく、よりよい社会生活を営む上では集団が重要となる。個人としての良さを発揮しながら他者と協調し、より良い集団や社会を築く社会性の発達も目指している。

 ③では、生徒指導が学校内のみの教育活動ではないことを示している。自己実現できる資質や態度の育成も、将来子どもが社会のより良い成員となることを念頭にすすめなければならないといえる。

 ④は、生徒指導はある特定の生徒に対する教育活動でなないということを示す。問題を抱えている生徒に対してはより多くの指導や援助が必要になるが、あくまで生徒指導はすべての生徒を対象とし、それぞれの発達や向上をめざしているのである。

 ⑤では、生徒指導が他の活動と区別された個別の活動ではないことを指摘している。生徒指導の目的は生徒の人格の発達を目指すことから、その活動は総合的なものであるといえる。つまり、生徒が社会活動を営める人間としての資質を向上するための諸活動の一部分であり、それらの教育活動はつながりをもつものである。

 生徒指導の今日的な意義としては、生徒に「生きる力」を身に付ける取り組みであることがいえる。中央教育審議会答申では、著しい経済成長や急速な交通・情報網の整備といった社会の変貌、生活における「ゆとり」の喪失、家庭や地域社会における教育力の弱体化、社会の変動による環境・エネルギー・食糧問題など様々な問題を挙げている。よりよい社会を構築するには、自律的学習能力、豊かな人間性などの「生きる力」が重要であるとしている。「生きる力」身に付ける取り組みとして、生徒指導の役割はさらに大きくなるといえるだろう。

 次に、生徒の問題の例を挙げ、生徒指導を具体的に述べる。例として、生徒の不登校を扱う。テキストQ18192192を参考に述べていく。

 不登校の原因がいじめや暴力行為の被害者として明確な場合については、まずその原因を取り除く必要がある。学級内の生徒同士で、担任指導の範囲で解決できなければ、学年主任、生徒指導主任、教頭、学校長に連絡し、同時に協力を得て、加害と被害の事実関係を確認する。被害者対する保護を徹底する。登校できるようになった際は、登下校、休憩時間に報復が起こりやすいため注意が必要である。担当教員や、生徒指導担当教員で一定期間保護を行う。必要な場合は加害生徒に対して登校停止を命じる。内容が成人の場合犯罪に相当する場合においては、警察少年係と連携を密にして指導を深めることもある。同時に、保護者に対して学年集会などを開き、情報を正確に伝え理解と協力を求める。心理的な相談が必要な場合はカウンセラーや医師の判断を求める。
 上記以外の不登校原因は、生徒に心の居場所がない場合が多い。教師は積極的に生徒に働きかける必要がある。教師は基礎的なカウンセリング技法を学ぶと同時に、学級集団に生徒が溶け込めるように援助する必要がある。このような学校忌避は、体育大会や文化祭など行事をきっかけに起こることが多いのでその際注意が必要である。教師は生徒に個別に援助する必要がある。

 中学や高校時代は、体の成長と心の発達がアンバランスになる時期である。特に担任教師は、学級の生徒の行動には常に注意している必要がある。短時間HRで生徒の表情をよくみること、生徒との雑談などでHRの微妙な変化をつかむことが必要である。そうすることで、不登校、問題行動が起こるのを未然に防ぎ、解決を早めることにつながるだろう。また、「親しく話せる先生がいる」「先生から話しかけられることが多い」ということは友達関係が良好なことが第一であるが、学校生活を楽しく感じることに大きく影響を与える。(参考文献②より)「話しやすい」生徒、クラス内で「地位」が高いと感じている生徒と親密さを演出することは生徒集団全体を把握するには有効であるが、「話しやすい」生徒に偏ることは疎外される生徒を生むことになるので注意が必要である。

 1992年学校不適応対策調査研究協力会議から、不登校問題あたりに「心の居場所」という言葉が使われるようになった。「不登校はどのような子どもにも起こりうる」というパラダイムが提示され、「学級や学校が自己の存在を実感でき、精神的に安心できる場所=心の居場所」になるための教育的対応が必要と提起された。その後、「保健室登校」の意義や生徒と教師とのカウンセリング・マインドが求められ、学校での心の居場所の確立が求められている。

 その一方で、中央教育審議会は学校だけの対応に固執しない、「開かれた学校」重要性も提起している。家庭や関連施設との連携の中に不登校の対応の指針を示している。信頼できる仲間や支援者との出会いは自分の居場所を発見し、自立を促す契機となっている。生徒指導の基礎となる人間観として「生徒の自己実現を助け、人間性の最上の発達を目的とする」とある。学校以外で効果があるのであれば、それも考慮に入れ、幅広い視野で生徒の心に寄り添い指導することが重要となる。

参考文献

「これからの教師と学校のための教科外教育の理論と実践のQ&A」(2002

教育問題研究会 編 ミネルヴァ書房

②「『若者の気分』学校の『空気』」(2011

本田由紀著 岩波書店

終わりに

ヒント

AbsolutVision / Pixabay

この科目はリポートについて、シラバスに詳しく留意点が書かれていました。
「生徒指導の具体例を挙げ、それがテキストのどの立場に相当するかを記してください」ということで、後半はテキストの参考個所を詳しく挙げて記述しています。

どうでしょうか?
A判定です。意外に簡単な文章ではないでしょうか( ´艸`)

リポートは参考例として数点載せますが、「これを見せてほしい!」というリクエストにはお答えできません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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